2009-08-05

美しいです、という言い回しについて

ちょっと前に日本語ブームだとかで色々本が出ていた時期があったが、その中の一つに「問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?」Amazonにリンク)というのがあった。

買ったり、図書館で借りたりしたわけではなく、本屋でちょろっと立ち読みしただけだったのだが、なかなか面白かった記憶がある。僕は割りと昔から「正しい敬語の使い方」だとか「間違った日本語」だとかいうテーマについて色々理屈をこねくり回すのが好きだったので、こういう本は大好物だった。

この本の中で、標題の言い方について説明があったが、もはや立ち読みしたのがだいぶ前のことなのであまり内容を覚えていない。僕の中学校以来の文法知識で解説を試みると以下のようになる。なお僕は特に国文法に詳しいわけでも何でもないのであまり真には受け取らぬよう。

「美しい」というのは形容詞「美しい」の終止形(あるいは連体形)である。よって「美しい。」で終わるか「美しい~(体言(名詞等))」のように続くのがあるべき姿である。しかるに「美しいです」では終止形である「美しい」の後に助動詞(用言)である「です」が続くことになって、文法的にはつながらない。
正しく言うとすれば「美しゅうございます」(「美しゅう」は連用形「美しく」のウ音便)である、というように本の中では展開していたような気がする。

とはいうものの、現在では「美しいです」のように「(形容詞の終止形)+です」の形はごく普通に使われる言い回しである(不自然だという印象を持つ人もいるらしいが)。本の著者も厳密には誤りであっても世の中がそれを受け入れるようになっているならば、正しい日本語として定着させてよいのでは、という立場で説明していた。
僕もこういうことは頭の中で考えるのは好きだが、いちいち目くじら立てて声高に間違いだと叫ぶのはどうかと思うので、こういうスタンスは好感が持てる。

今度見つけたら買おうかと思う。

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